バカの出来るまで その1

 自分がお馬鹿だと感じる時は結構あるけど、その中でも特に救いようのないお馬鹿だと思うのはキャラ萌えしている時。
 基本的にはあっちもこっちもちょっとお気に入りって感じで、テレビや雑誌を見る程度で満足も出来るのですが、時として大ハマリしちゃいます。普段ぼーっと何も考えずに生きているので、そういう時っていうのは色々と考えたりして、挫折のきっかけだったりする。
 最初に気に入ったキャラの一番古い記憶は宇宙戦艦ヤマトの島大介、それにアニメ雑誌なんていうものも(あったかもしれないけれど知ら)なかったのでテレビを見るだけで満足。後にヤマトがブームにならなければそんなこともあったなって記憶が残るだけだったかも。ただ、ヤマトが映画化されたりして話題に上ることが多くなって、一番好きなキャラは島大介だと発言した。そして同級生に絵の上手な子がいて、その子が年賀状に島大介を描いて送ってくれたことが問題でした。それまではマンガ(アニメもテレビマンガと言われていた)っていうのは特別な訓練を受けた人が作品として作り出す物で、クラスの誰かが本物そっくりなキャライラストを描けるなどとは夢にも思っていなかったのです。その子が図工の時間なんかに上手に絵を描くことは知っていたけれど、それはあくまでも絵だったので。で、自分も写生会とかそういので何度か賞とかもらった経験があったので描けるかなぁと思って描いてみたら、全然駄目……。それまで読書は好きでもマンガはそれほど好きじゃなかった。マンガというと幼稚園の頃入院した時にマーガレットを読んだこととか、学年誌のとか美容院に置いてある雑誌をぱらぱらとながめたぐらいで。
 定期的マンガを読むようになればきっと自分にも描けると思いこむ。それが最初の一歩。
 マンガを(人に借りて)読むようになってもストーリーとかそういうところがポイントで特にお気に入りのキャラとかはいなかった。最初の目的だった上手にキャライラストを描くというのは早々挫折していて、私にとってもマンガは読書と同じ物語を読むということだった。物語や世界観などはどうでもよく、最初にキャラだけが目的でマンガを買ったのは姉の買っていたセブンティーンに載っていた『七つの海七つの空』のティリアンだったと思う。コミックスをはじめて買ったのもこれ。次に友達のお姉さんがいらないからといってくれた『エースをねらえ!』の尾崎さんにはまる。そのうちにコーチが死ぬところから開始された新シリーズが始まり、このコミックスを集める。やはり姉が買っていた少女フレンドで『はいからさんが通る』の連載が開始され、夏の旅行の電車の中での退屈しのぎに買った“花とゆめ”を買い『ガラスの仮面』を知り、そこからはもう坂を転げ落ちるように。



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